建物の評価をするためには、

 まず、その建物の図面が必要です。

 しかし、今、手元にある図面は

 現状と異なる、絵になっていませんか?


設計図 、という言葉は安心感を与える良い響きですが、 です。
どのように作る、と描いてあるのが設計図のはずですが、こんな
感じ にして欲しいという 記号 になってしまっているのが、 設計図 なのです。
実際に建てるために必要な図面は
施工図 というものがないとできません。
更に、その施工図も
建築の施工図 (ゼネコンが描くもの)と 製作物の施工図 と別れ、更に 原寸図 と細かくなっていきます。
そして、建物が竣工したときに
竣工図 (施工時点の問題点を解消したり、追加されたものを反映した、 現状にあった図面)という形で、すべての図面を渡されたと思いますが、 一般的に訂正された設計図のみ が渡される程度です。
建売りの住宅 あたりでは、訂正もされていない 建築確認申請 に提出した図面が、そのまま渡されていると思います。

実は、ここが問題となるわけです。

竣工後、 検査済み証 を役所からもらわないといけないのですが、 建築確認申請図にはないような、やたら大きなロフトがあったり (2階建てではなく、3階建てとみなされる)、 やたら飛び出しているバルコニーがあったり、要は 違法建築 となっている建物を引き渡されている場合です。
きっと
施主 であるあなたは 「銀行などからの借入は、建築確認申請図があれば問題ない」 と聞かされ、了承して(完璧な理解のないまま)検査済み証の ないまま、受け取っているかもしれません。

このことは、それほど問題ではないでしょう。
建物の本当の問題は、保証されている5年やそこいらでは起きてきません。
形あるもの、時間がたてば壊れます。
要は、壊れ始めた頃からが、本当の問題なのです。

何が どのように壊れ 、どのように 修理 し対応したか、その修理は がやったのか、いくら 費用 がかかったか、 今後 どのような修理が必要で、誰が対応できるのか、それを知る事で 資産価値 が決まるわけです。
そこで初めて面積がどれくらいで、
テナント (店子)がいる、いないという次の話になるわけです。
法律では、何年で
減価償却 するか決まっています。
しかし、法律が変れば意味のないことです。建物の
維持管理 にどれくらいの費用がかかるか、それを 検討できる資料 としての元ネタである 最新の情報を反映した図面 が必要となるわけです。
最近の建物はCADにより図面が作成されていますが、 その図面は手描きで訂正され、竣工図となっているのがほとんどです。
これでは、役に立たないデータとなってしまいます。

では、それの対策としてどうするか?
設計図の最初に 特記事項 というのがあります。
この中に竣工図の提出に関する事項があります。
(まあ、住宅規模の設計図では、記載されてないものも多いと思います。)ここに
CADデータで提出のこと 。と記載させることです。
最近の公共事業の設計図や民間でも大型の現場での設計図は、これが記載されています。
では、既に建っているもので、 データが無いのはどうするか?となるわけですが・・・

これが 一番大変 です。
先にも言いましたが、最終的にどのように施工されたのかを 反映した図面になっていないものもあるからです。
また、実際に施工した場合の誤差が大きい場合や何度も何度も改修工事をして、 何社もの施工会社(ゼネコン)が手を入れて、
取りあえず作った! になっている場合です。
実際、そのような建物に増築する場合、 現場の対応は、苦労多いものとなります。当然、イメージとして、
つぎはぎ だらけで価値のある建物と思えなくなります。駅前に立っている 雑居ビル は、そのイメージの典型でしょう。
新たなデータ作りは大変ですが、 作るしかないのでしょう。
そして、増築工事を請け負うゼネコンが、 しっかりした条件で対応すれば、価値の有るものとして再生できるはずです。
現状を把握 する事で、価値を認識できるわけです。
しっかりと把握できる
担保 となるならば、あの バブル は起きなかったのでしょう。(このページは平成10年に作られた文章です。平成12年4月より品確法が施行され、瑕疵担保期間や住宅性能表示が義務化されたことを付け加えておきます。)


※資産管理や作業進捗状況を確認するため、図面をWEB上で管理することを提案しています。(2003.04)