DXと生産設計(施工図)
一級建築士事務所 株式会社アートヴィレッヂ「建築設計・施工図作成」

Artvillageの提案

DXと生産設計 (2021年11月)
施主にとって価値ある建物@(2016年5月)
  BIMによる施工図の進め方A(2019年9月)
  BIMによる施工図の進め方@(2015年12月)
Twitterやfacebookでのつぶやき(本日の最新版)
VRを使って図面の中をスタスタ歩いて見ませんか?(2016年)
  写真による現場疑似体験(1986年頃)
図面について(20年以上前、このHPを開設した頃)


 「全てがインフォメーションのあるBIMとなる」

●整ってきたBIM関連の法整備
 
 

建築業界はCADからBIMへ移行しようとしている。単に2Dから3Dへ移行しているのではなくインフォメーションの付いた3D-CADがBIMである。

●従って、モデリングという形を作るソフトではなく、マネジメントにまで及ぶソフトである。
 
 

●BIMデータの利用と、そのデータを作る立場を体系づけてみた。

●数年前までのBIMは、建築設計をイメージしたものであったが、インフォメーションを活かし数量を集計し、施工からビル管理まで意識できるものになった。

●ここ数年、土木でのBIM利用が進み、当初2025年を目標に、公共事業をBIMで行う予定であったが、2023年に前倒しされ、2022年度には全ての工事をBIMで行う予定になった。

●今年(2021年)3月26日に国土交通省はPLATEAUを、7月29日に東京都はデジタルツインを発表した。これは、3Dの地図データで、一般に自由に利用できる。用途地域などの他、建物ナンバーまで付けられている。また、デジタルツインの場合、LiDAR(iPhone)の利用を考えている。
ちなみに、iPhone LiDARでスキャンしたものを、BIMに読み込む事が出来る。

●一方、BIMデータを作る者として、生産設計要員(施工図屋)が充てられると考えられる。
現状の生産設計要員は、施工図会社に正社員として在籍して居る必要がある。同一労働同一賃金の必要があるため、建設現場に派遣される生産設計要員は、派遣先均等均衡方式ではなく、労使協定方式が選ばれる。登録型の派遣社員や期間雇用の契約社員の場合、労使協定を結ばれていないので、派遣先均等均衡方式となるが、派遣労働者と同等の能力を有する派遣先社員と雇用形態を同じにしなければならない。これは現実的ではないため、労使協定方式を選べる正社員の派遣に限定される事となる。

●今年(2021年)4月から、中小企業においても、労働基準法第36条(36協定)が施行された。
残業時間の上限を決められた訳だが、繁忙期において、従来の2D-CADで行う生産設計業務でさえ要員不足となっている。見た目、地下から屋上までが見えてしまうBIMの場合、二次元表示する(従来のCADと同じ)部分のみであっても、CADの4,5倍の手間暇が掛かる上に、目に入った部分の内、未作図部分の指摘を受け、その説明に時間を取られる。

●下請けである施工図会社では、新卒入社からの者だけでなく、元設計や元ゼネコンなどからの参入も多い。また、上場会社のように安定した大きな会社ではなく、独立志向は強く、社員の居ない個人事業主も場合も多い。

●今年(2021年)10月より、インボイス(課税事業主)の登録が始まり、2023年より施行される。
現行では、年少1000万円以下の場合、消費税は免除される。しかし、インボイスが施行されると適用されなくなる。たとえば、元請けゼネコンが1億円+消費税1千万円の仕事をした場合、下請けに施工図を1千万円+消費税1百万円で発注すると、二重払いとならないよう、1千万円-1百万円=9百万円の消費税の納税となる。しかし、下請けが課税事業主で無い場合、認められなくなる。マイナンバーは普及済みなので、消費税源泉税は確実に納税する事になる。
いわゆる法人格になる必要があり、個人事業主(一人親方)は転換を迫られる状況である。
  
 
 
 

●コロナ禍において、テレワークが進んだ。元々施工図は現場監督が昼間の作業を終えてから、夜な夜な描いていた。現場をしっかりと分かっている者が作図していた訳で、ゼネコンを退職したベテランなどの外注に依頼したのが始まりだ。従って、始まりが持ち帰り施工図(テレワーク)で、現場常駐の生産設計要員不足を担っていた。
BIMは、多くの人による作業が可能で、社内サーバーでの作業だけでなく、クラウドを利用する事で社外の手を借りる、いわゆるテレワークに最適なソフトと言える。

●施工図は、粗の方向性から詳細を想定できるレベルにとどめた設計図から、実際に建物を施工するために、全ての部分において詳しく表現されている図面である。従って、その施工図をBIMで作成すると、柱、梁、スラブ、その他諸々の材料からサイズ、数量まで拾い上げる事が出来る。3Dにインフォメーションを与え数量がわかるBIMは、そこに工賃を掛け集計すると総工費となる。

●日本の場合、固定資産税の計算は、再建築価格法式がとられているので、この総工費から減価償却分を差し引くと、税額を求めるための固定資産を求める事が出来る事になる。固定資産税の見直し時期は3年に1度だが、そもそも施主と税務署との間で評価が異なれば、訴訟にまで発展する。

●固定資産税=家屋の評価額×固定資産税税率1.4% 固定資産の70%が評価額×1.4%
大規模修繕なども入って来ると、資産としての価値が、ドンドン分からなくなって行く
粗々の計算だが、総工費100億円×0.7×0.014=9800万円 90億円×0.7×0.014=8820万円
10億円の評価差で、毎年約1000万円の差額が出るのならば、竣工後であっても、ビル管理用のデータは、CADデータではなく、BIMデータとする理由となる。また、設計段階でBIM化してあれば、施主の運営計画も更に評価され、銀行借入の条件は大きく変わって行く。
 
 

●動産である物品の意匠は、法改正以前から保護されている。一方、2020年4月に改正された意匠権では、不動産である、土地に定着した建築物など人工構造物の、外観やデザインも保護の対象とする事になった。

●申請するにあたり、企画基本設計時点からビル利用するまでの期間の、どの辺りで申請するのか、また、どのような内容まで決めて申請するのか確認する必要がある。

●添付する図面は、建築の場合、機械系と異なり、6面方向の図面だけでは難しいので、パース等の追加が必要と考えられ、その際、BIMのビューワー利用は最適と考えられる。建築設計のBIMモデルで合意形成をするとすれば、それに引き続く施工図もBIMとし、竣工利用する事となる。

●M&Aが発生した場合、旧オーナーの貸借対照表には掲載されていない(工事費に含むため)が、M&Aをした新オーナーの貸借対照表には、無形資産(のれん代)として価値あるものになる。

●意匠権は、今からの新築物件だけに適用されるのか、既存建物にも適用されるのか、その場合、売却前にBIMデータ化が必要となるのか等、課題が残る。また、その際のデータ化は、設計がやるのか、施工側がやるのか、これも課題が残る。

●水上である設計や元請け施工会社の責任が、瑕疵担保責任から契約不適合責任となった事で、範囲や期間が大きく変わった。

●『種類』『品質』『数量』の3要件で判断する、とある。これこそBIMの、『I=インフォメーション』その部分となる。従って、引き渡し時点での竣工図の扱いは、大変重要なものとなって来る。この扱いについても課題が残る。

●デジタル化される事により、DXと生産設計の結びつきが深まる訳だが、残念ながら、従来のCADでは、とても対応できるものではない。
 
 
 

●2009年BIM元年と言われたが、普及は言うに及ばず、BIMという言葉すら浸透しなかった。
弊社のBIM導入は2012年12月だが、実際に触り始めたのは2013年4月からだった。
対外的に進捗を見せるため、HPやYOUTUBUに掲載している。
昨年(2020年)4月から施行された法改正や、各省庁の発表を見ると、我々は既に、外堀を埋められている事に気付くはずだ。
 
 
 
 
●PLATEAUのHP⇒
 https://www.mlit.go.jp/plateau/

まだ、全国を網羅されている訳ではないが、スマートシティーを提唱する地域などが先行しているようだ。
データ更新はBIMを想定している、、等、ライブラリーを参照

ライブラリー⇒
 https://www.mlit.go.jp/plateau/libraries/ 

●東京都デジタルツイン実現プロジェクト⇒
 https://info.tokyo-digitaltwin.metro.tokyo.lg.jp/
 
 

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