2000.05.02 2000.07.21 2001.03.06
不動産の証券化について
まず、聞きなれない「不動産の証券化」について情報を仕入れてもらいたい。
建設省HPより抜粋
(1)不動産の証券化
不動産の証券化とは、不動産を裏付けとする有価証券(不動産からの収益を裏付けとした配当を受ける権利を有する証券)を発行することによって資金調達を行うことである。
(2)不動産の証券化の意義
このような不動産の証券化を進めることには、次のような意義がある。
・資金調達の手段として,金融機関からの融資による相対型に加え、資本市場から直接調達する市場型の道を開くこと
・保有不動産を分離することにより事業者にとって資産圧縮ができること
・1200兆円と言われる我が国の個人金融資産に,不動産投資市場という新たな運用の道を開くことにより、我が国の都市の優良なストック形成を図れること
・不動産投資市場への資金が流入することにより,不動産市場の活性化が図れること
・フィー・ビジネス(手数料収入による経営)という不動産業の新たな展開が期待できること・不動産市場の透明性、規律性が向上する効果が期待できること
(3)不動産投資市場整備の課題
しかし、不動産の投資市場の整備を進めるには,次のような問題がある。
・不動産投資市場のインフラが未整備であること
・投資利回りについて予測がつけにくいこと
・投資利回りに反映する不動産固有の様々なコストが存在すること
(4)推進すべき政策
従って、不動産の証券化推進のためには次のような政策の推進が必要である。
・証券化ためのスキームの整備
・情報開示基準の確立
・不動産投資インデックスの確立
・不動産評価手法の確立
・格付けの活用
・不動産投資顧問業の育成
・定期借家権の創設
・流通市場の整備
・不動産特定共同事業の規制緩和
その他参考HP
第一勧業銀行 動き出した不動産の証券化
http://www.dkb.co.jp/houjin/report/keizai/199902/9902-4.html
不動産証券化の波に対応するには、インターネットを切り離す事はできない。今後のデータ形式は、建設省の薦める「建設CALS」の波に乗る事も重要ではあるが、多くの人達が検索閲覧できてしまうインターネット上に載る形式であることが必要である。それは、その情報を見ることで、価値ある資産として認められるかどうかが決まるからである。従って、今後のCADデータはネット上で確認できることが絶対条件である。これは今後、世の中の全業種に言える事であり、非常に重要な条件である。
現在、私の知るところでは、2つのCADデータがネット上で図面データを表示できる。1つは、構造システムのDRACADデータを表示するDra-Viewerと、もう1つはAUTOCADデータを表示するWHIPである。表示される物はCADデータであり、写真データの.JPEGやPDF程度の絵ではない。
インターネットに掲載できない形式の排除
竣工図データ形式がインターネットに 掲載できるデータ形式 である必要がある。従って、現状ではDRACAD、AUTOCADは次の形式とする必要が有る。
DRACAD .MPP .MPW (Dra-Viewer対応)
AUTOCAD .DWF (WHIP対応)
最近、どちらのCADソフトメーカーも究極の便利さを追求するためにヴァージョンアップを繰り返している。しかし、現状ではネットに載せる事が出来ない規模のデータ(大容量)や作業環境(参照するフォルダ名が同一というのは有り得ないため)で利用する事となる。理論的には地球規模のデータでさえ作れることになるが、当然不要である。余談ではあるが、「アポロ13号が月に行ったのは僕らの生まれてくるずっと前・…」と歌っている若者達がいるが、施主あるいは特定目的会社(SPC)にとっても、現在及び未来において過剰なデータでは一般投資家が検討できる物とならない。株式投資の世界をみても、必要なデータは決算書の中の「貸借対照表」「損益計算書」「利益処分」と今後出てくる「キャシュフロー」であり、株価の「チャート」である。何月何日に会社としてコーヒーを買ったとかの「現金出納帳」までは必要無いのである。 「キャシュフロー」をより本物とするには、一番現金化する事が不可能な固定資産の評価を正しくする必要がある。それが「不動産の証券化」である。あまりにも詳しくする事でスピードが失われては「不動産の証券化」は失敗する。
さて、3月末となると、各上場企業の決算がやって来る。有価証券が「取得原価」から「時価会計」に、また、固定資産である土地建物を有価証券である「不動産ファンド」にすることで流動資産とする動きがある。どちらも企業の「含み損」や「含み益」を公開することで、健全性を強調したいのであろう、情報過多の現代では変動が大きく、かえって株価が不安定になり、適正な決算の数値を得られないのでは、と危惧する。逆に、我々建築屋としては、しっかりとした建物として維持管理できている事を証明し続ける。と言う責任が発生して来る。株式新聞がインターネットに変わったように、建物 管理情報がインターネットで確認できる必要が出て来る。それは、「不動産の格付け」をするための、元ネタが必要となるからである。ネット上でCADデータを表示できる必要が出てくる、と言う事である。
株式会社アートヴィレッヂ 代表取締役 原 行雄